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2018年 チベット難民支援報告

 


先日チベット難民支援事業の為に、インドのダラムサラに行って来ました。2006年にダライラマ法王猊下とのご縁を頂いてから、チベット亡命政府と協力して支援活動を行い、毎年モニタリングの為にダラムサラを訪問しています。


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チベット人はダライラマ法王猊下を仰ぎ、那谷寺と同じく密教を信仰する人々です。チベットはかつて国でした。今は中国の一部です。文化大革命時、中国軍がチベットに侵攻し事実上チベットを占領しました。以来ダライラマ法王猊下はインドに亡命し、中国国内で信仰と文化を奪われた人たちが次々とインドに亡命しチベット難民として暮らしています。


しかし、2008年の北京オリンピックの年以降、亡命に対する締め付けが非常に厳しく、ほとんど亡命が出来ない状況になりました。亡命チベット人の数は減り続け、中国国内でのチベット人の状況は苦しみを増しています。しかし彼等はダライラマ法王猊下の教えの下、非暴力の抗議を貫いています。


現在チベット亡命政府により、亡命者はチベット語およびチベット文化教育やチベット密教の信仰を行える環境が整っています。しかし、インド国中に散在する難民キャンプ全てにチベット人学校を作るわけにいかないので、都市に近い難民居留区に寄宿学校を設置し、子ども達は学校で寝泊まりしながら勉強しています。我々はそのような寄宿学校の子ども達の支援を行っています。


チベット亡命政府の教育省と


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STSS(SAMBHOTA TIBETAN SCHOOLS SOCIETY)


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を訪れ、昨年までに事業の報告と今年度の事業計画を確認しました。


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翌日に我々が支援する寄宿学校Chauntra Schoolを訪れました。ダラムサラから車で3時間ほどの場所にあります。


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私たちはこの学校を拠点に「帰省支援」「学校支援」「里親支援」の3つの事業を行っています。詳細は「那谷寺清水基金HP」


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彼等の故郷トゥティンキャンプは制限されたエリアで教育省が学校を作れないため、1996年から多くの子ども達を寄宿学校に受け入れてきました。現在169人の子ども達をChauntra寄宿学校に受け入れています。本年度の帰省事業においては2019年12月~2月にかけての50日間の冬休みに合計81人の子ども達が里帰りし、家族と一緒に過ごすことが出来ました。現在は少なくとも1~2年に一度里帰り出来ています。大きい子が小さい子をエスコートしながら、約1週間という長い道のりをかけて里帰りしました。里帰りをして親元で過ごす時間は、精神的安定をもたらし、子ども達の健全な成長にとってとても大切なものになっています。里帰りした子は新しい知識や経験を親たちに伝えています。


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また、里親支援をしている子ども達と会ってきました。清水基金では一人の子に一人の里親になってもらい、衣食住・教育の費用をみてもらっています。子ども達とは手紙を通じて交流を持っています。


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学校に文房具の寄贈も行ってきました。


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今回の旅は以前私が里親をしていた女の子にガイドとして同行してもらいました。彼女は学校を卒業し、今はデリーのホテルで働いています。


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彼等は子供時代のほぼすべての時間をこの学校で先生と生徒たちとで過ごします。いわば大家族への里帰りです。久しぶりの学校への里帰りに興奮していました。


昨年Chauntra校に設置した浄水器の確認と


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次年度の整備計画について相談しました。

トイレやシャワールーム


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配管


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教室など


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かなり老朽化しているので、その部分を改修しようと思います。


Chauntaの子ども達が民族舞踊と音楽を披露してくれました。楽器や民族衣装は清水基金が以前に整備したものです。


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小さいころから知っている子ども達が、勇壮に、可憐に踊り歌う姿にとても感激しました。


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国を持たない民は教育により身を立てていきます。子どもでも、チベット語、ヒンディー語、英語の最低3か国語を話します。そしてその信仰により勤勉実直で、優しさにあふれ聡明です。死後は生まれ変わることを知っているので、高齢者は心穏やかに死に向かっていきます。私はチベット民族は世界で最も尊敬すべき民だと感じています。


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ダラムサラからの帰りにチベット人の友人の家に泊まりました。友人と彼の両親は毎朝1時間以上かけて仏様に祈りを捧げます。夜には彼と将来の夢について語り合いました。その友人から数日前に婚約の儀式の写真が送られて来ました。彼等の将来に幸あれと願うばかりです。


日本人はチベットと同じく仏教を信仰してきました。ダライラマ法王は紛れもなく世界の仏教界のリーダーです。長い間苦境に追いやられてきたチベット難民問題に、日本が無関心でいてほしくないと願っています。中国との国際関係に気を使ってか、あまりチベット問題が取り上げられる機会は多くありません。しかし世界の一翼を担うようになった日本だからこそ、この問題に寄与できることがあるはずです。どうか、チベット難民問題に興味を持って頂けますよう宜しくお願い致します。

詳しく知りたい方は「ダライラマ法王日本代表部事務所」のホームページをご覧ください。


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